イナズマイレブンGOを愛してやまないオタクの呻きブログ

イナイレを語ったり他のことを語ったり。

桜前線について

今回は自作の小説について語ろうと思います。

 

uranai.nosv.org

どんな話?:

現実世界で退屈な人生を送る主人公は、命と引き換えにイナGO世界にトリップすることを選択します。登場人物とともに楽しい時を過ごし、様々な冒険を体験し、最後には世界諸共消滅します。夢成分に加えて恐怖表現など過激な要素も少し含んでいます。

 

 

 

・本作を書いたきっかけ

コロナの影響で遠隔授業にシフトした結果、暇な時間を使ってイナギャラゲーム・スーパーノヴァを始めました。新鮮な発見が多く、次第にイナGOにのめり込み、「この大好きな気持ちを表現できる場が欲しい」と考えるようになりました。

 

「もしイナGOの世界に自分が入ったら、どんな世界が広がっているんだろう」

「この熱い気持ちを誰かと共有したい」

「登場人物に自分を認識されたい」

 

そんな思いが沸々と出てきて、気付けば本作を執筆していました。占いツクールを選んだのは、名前変換機能があるということと、小学生の頃から利用していたというのが主な理由です。この小説は自分にとって「今まで蓄えてきた愛のアウトプットができる!」という救いの象徴です。今でも。

 

 

・壊す前提で書き始めた本作

私、飽き性なんです。某社長のように、新しいものを作ったら壊す(消す)タイプです。リセットが好きです。人間関係も、作品も。

この作品を作った当初もそうでした。消すつもりで作りました。でも、放置していたデータを半年後見返し、たった一つ残されていた「トリップ契約書」の項を見て、これは面白くできると確信しました。

 

第一条. 契約後からトリップ成功までの期間、甲はいかなる場合においても人権を剥奪されない。
第二条. トリップに成功した場合、甲の生命を乙に譲渡するものとする。その場合、乙は甲の生命を自由に利用することが可能である。
第三条. トリップ後、甲が希望した設定が反映されるものとする。
第四条. 希望する設定は可能な限り具体的に書かなければ効果が小さくなる恐れがある。
第五条. トリップ先の世界で甲が死亡した場合、現実世界での甲の戸籍や存在が正式に消滅する。尚、トリップ後の戸籍は新たに作成されている。
第六条. トリップに失敗した場合、本契約は無効になるものとする。
第七条. 本契約は契約後、取り消すことができない。

 

残された作りかけのデータに、こんな内容だけが残されていました。「なにこれ変」って思うじゃないですか。夢小説、しかも利用者に小中学生が多い中で、法律の一文みたいな条目が書かれてるんです。自分だったら「なんだこれ」って思います。逆にこれに独自性を感じ、だったら読み手の年齢層とか考えずに思いっきり難しい小説書いてみよう!!と思いました。この先のお話を、誰よりも自分が見たいと思いました。

 

1期はまだしも、2期のイナクロ編に関しては結構詳しく書いているつもりです。原作を履修していないとまず理解できない内容となっていると思うのですが、そのところ読者の方はどう思われているのでしょうか。世界観を確固としたものにするために、登場人物が人形とならず「人間」として描けるように、全力を尽くして執筆しています。

 

 

正直、本作は小中学生向けの文章ではないです。高校生以上かな。

でも、コメント欄を拝見する限り(今は封鎖しましたが)意外と小中高大生、またはそれ以上の年齢の若い方に読んで頂いているらしく驚きました。有り難いです。

 

本作は「誰かに理解してもらえる」と思って作った文章ではなく、「きっと誰かは理解してくれるよな」というような感じです。

 

・夢系?ホラー系?グロ系?

全部です。でも、グロは全年齢としては公開できないので公開制限しています。

次に、その人間は包丁を腰から取り出した。私は驚いて、その場から逃げ出す。しかし、足が思い通りに動かず、気味の悪い浮遊感が邪魔して速く走れない。相手はすぐに私を捕まえて、すぐさま勢いよく背の中心を刺した。私は金切り声を上げて叫び、痛みを訴え、必死にもがく。何度も何度も刺されたような痛みが連続して脳を襲った。背根から中枢に、中枢から腹根に興奮が伝達される。

 

相手は無表情でただ刺し続けた。私は獲れたての魚のようにビタンビタンと身体を跳ねさせながら刺され続けた。鮮明な赤い飛沫は次第に緩やかな流れに溶け込んでいく。

私はその死体を数歩先にある堀に投げ入れようと、「それ」を引き摺った。しかし中々思い通りにはいかず、足を持ち上げるのだけで精一杯だった。しっかりと開かれた目とは一向に視線が合うことはないまま、まだ生きているのではないかと疑念を持ちながら、「それ」を引き摺り続け、懸命に堀に放り投げた。「それ」は気味が悪く、そして懐かしさを感じさせる物体だった。

 

桜前線〈フラグに引っかかる文章編〉 - 小説より

 

こういう内容を普通に公開すると通報されて小説が消されるので、制限をかけて公開しています。イメージとしては人間失格とか、少年Aの手記『絶歌』とか。暗いですね。

 

でも、暗い背景がベースにあるからこそ、光は輝くと個人的には思っています。それこそが美しさだと。ほら、眩しい空間の中で星を見るより、宇宙のような真っ暗な場所で星を見た方が綺麗じゃないですか。そういうことです。

 

 

・普通じゃない夢小説が書きたい

作者は変人です。従って、生み出されるものも変です。

 

イナクロのゲームで天馬らが化身アームドをしている描写を見て、自分も実際に化身アームド習得の特訓をしてみたり、残酷なパラレルワールドの選択肢を考えてはにやついているくらいには変人です。でも常識人になりたいので、一般的な価値観も学んでいます。それで自分の考えを客観視してみて、それを踏まえて「普通とは違う夢小説」を生み出したいと考えています。

 

つまり、変人の作者が普通とは何かというのを学び、普通と異常の境目を知り、その上で異常なものを書いているといった具合です。

 

 

 

これは自論なのですが、多くの夢小説に出てくる登場人物というのは「ただ主人公(夢主)のことが好き」という場合が多く、そこに個性があるのは少数派です。登場人物固有の人間性を関係性の中にあまり反映していないという意味です。

 

自分は過去にそういった小説を多く書いてきました。楽しいからです。

ただ主人公に対して周りが好き好きと言っている小説を書いてきました。

 

 

しかし、飽きます。そういった小説は飽きます。書く側も、読む側も。

飽きませんか?

 

「変化のない好意」を得た時点で、その相手の登場人物は「人形」になるからです。すると、彼らから本来あった筈の自我がなくなっていきます。

 

 

しかし、だからといってリアルすぎる小説も面白みがありません。現実的すぎるからです。地味になってしまい、次第に書く側も読む側もモチベーションを失っていきます。

 

 

そのあたりの調節を自分なりにしてみた結果がこの小説ですでも、「そういった小説」になっていくばかりで、「この人物はこんなこと言わないんだよなぁ」と解釈違いを起こす日々です。

 

 

【ここで誤解してほしくないのは、「そういった小説」を批判している訳ではありません。あくまで個人の意見です。】

 

 

 

普通にただ好意を向けられるのではなく、地道な関係性の構築によって徐々に関係性が変わり、好意を向けられるようになる。そういった小説を書きたいです。相手が固定された人物像ではなく、変化する人物像(つまり人間性)をしっかりと文で表現したいです。

 

 

...誤解のないように伝わったらいいな〜。

 

 

・目標とする小説像

最後に、これについて記述しようと思います。

 

「イナGOを愛する一人の人間が天馬たちと共に新しい人生を歩む話」

これを表現したいです。これを表現するために書いては消しを繰り返して、納得できる小説を作っている最中です。

 

 

それと同時に、もう一つ。

「生きる楽しさも、自殺(安楽死)した罪も知る」

これもテーマの一つです。

 

 

 

 

人間というのは安易な思考をするもので、「死んでもいいから憧れの世界にトリップしたい!」と考える人も多くいます。私がそうです。

それは現時点で現実的には不可能ですが、いつかできるようになるかもしれません。でも、本当に現実で生きなくていいの?自分の命を安易に失うことは罪ではないの?という議論が起こることは想像に難くありません。

 

その問題提起をこの作品でしたいと思いました。「死んでもいいからいつか憧れの世界にトリップしてしまいそうになる自分」の末路は一体どんなものなのかと、先の見えないゴールに向かって話を展開したいと思いました。

 

 

 

 

誰かにとって救いになる小説になればと願っています。

 

 

 

充滞より

 

 

 

追記:

名前の由来ですが...

占いツクールで活動を始めた時の初期名を、渋滞する高速道路の中(後部座席)で考えていたときに「うーん、名前、じゅうたいにするか!今渋滞してるし!」という安直な理由で決定しました。最初はひらがなでしたが、オリオンで充くんいいなーと思い、充くんの名前と渋滞の滞を取って当て字で「充滞」にしました。

うーん、安直。